機関誌「非破壊検査」 バックナンバー 2007年度

解説 医用診断技術の動向 その2

16列CTとLSO PETからなる診断システムの相乗効果

 片岡 一芳 東芝メディカルシステムズ(株)

 

Synergistic Effects Brought by an Integrated Modality

Consisting of 16-slice CT and LSO PET

kazuyoshi KATAOKA Toshiba Medical Systems Corporation

キーワード PET,CT,ガントリ移動,形態診断,機能診断,重ね合わせ



1. はじめに
 近年,陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography: PET)とCTを組み合わせたPET-CTを導入
する病院,検診センターが増えている。機能診断に役立つPETに,形態診断に資するCTを組み合わせたPET-CT
が,わが国の死因のトップであるがんの検診・診断に有用であると評価されているためである。
 PETは,陽電子放射性核種で標識した薬剤(放射性薬剤)を被検者に静脈注射し,陽電子が電子と反応して消滅(陽電子消滅)するときに対向放出される2 本のγ線を,体外の検出器リングで同時計数することで,薬剤集積分布を断層画像化するモダリティである(図 1)。放射性薬剤として,PETがん検査ではF-18 フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いることが多い。正常細胞と比較して活性ながん細胞は,ブドウ糖に似た構造のFDGを多く取り込
むので,陽電子放出核種であるF-18が集積し,陽電子消滅γ 線が,PET検出器で多く計数される。このようにして,F-18が高く集積する部位が断層画像に顕著に現れ,がん検診・診断に役立つ。

 

 

 

     
1か月半年年間

<<2024年04月>>

    • 1
    • 2
    • 3
    • 4
    • 5
    • 6
    • 7
    • 8
    • 9
    • 10
    • 11
    • 12
    • 13
    • 14
    • 15
    • 16
    • 17
    • 18
    • 19
    • 20
    • 21
    • 22
    • 23
    • 24
    • 25
    • 26
    • 27
    • 28
    • 29
    • 30
1か月半年年間

<<2024年01月~2024年06月>>

1か月半年年間