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令和元年度から新会長に就任させていただくにあたり,ご挨拶を申し上げます。
当協会は,1952 年に「非破壊検査法研究会」として創立し,1955 年に「社団法人日本非破壊検査協会」として発足,その後2012 年に一般社団法人に移行し,現在に至っています。発足当時,我が国は高度成長期にあり,産業・経済は目覚ましい発展を遂げておりました。これに呼応する形で,非破壊検査技術も製品の加工品質の確保とその向上を通じて様々な技術革新に貢献するとともに,社会の安全・安心に重要な役割を果たしてきました。その中で,本協会は,学術の発展,技術者教育を通じた学会機能と,非破壊検査業界の発展に寄与する協会機能を併せ持つ団体として,これまで学術,教育,資格認証,標準化,試験片,出版等の活動を行ってきました。これまでの諸先輩方の努力で築き上げてこられた数々の功績に対して,深く敬意を表します。
近年の活動に目を向けますと,緒方前会長のリーダーシップの下に,“JSNDI ミッションステートメント「社会に価値ある安全・安心を提供するJSNDI」”,“JSNDI バリュー”として,①“社会”から尊敬される協会,②“会員”に魅力のある協会,③“産業界”で実力のある協会,④“学術・教育界”に存在価値のある協会,⑤“行政機関”に影響力のある協会,を提示し,“JSNDI アクションプラン”として,①業界バリューチェーンの構築(関連業界間の連携強化),②学術・産業分野の拡大と融合,③学会機能と業界団体機能のシナジー強化,④有効なグローバル展開の強化,⑤会員活動の活性化を掲げ活動してまいりました。
今年度からの当協会の諸活動においても,上記の基本路線を踏襲し,各アクションプランを実行することにより,着実な進展が得られるように努力してまいりたいと思います。具体的には,①業界バリューチェーンの構築では,業界のバリューチェーンを意識した学術シンポジウムの開催,技術交流,共同研究の推進など,非破壊検査を通じた業界間のネットワークを構築できる取り組みを企画・推進してまいります。昨年度に提示したJSNDI「産業界課題マップ」に関する活動を継続・発展させ,種々の業界における非破壊検査に関連する問題点や課題を抽出していきたいと思います。②学術・産業分野の拡大と融合においては,種々の技術分野・産業分野と広く連携する場を設定すること,非破壊検査との連携が重要となる周辺領域にも広く目を向け新規分野の開拓を図ることで,学術・産業分野の一層の拡大を図りたいと考えています。③学会機能と業界団体機能のシナジー強化では,「産業界課題マップ」の第2 ステージの活動として,産業界の課題に対応した「学術シーズ集」を作成し,ニーズと研究者技術者シーズのマッチングにより学会機能と工業会機能のシナジーを強化することを考えています。④有効なグローバル展開の強化では,ICNDT,APFNDT,ISO 会議等への有効な対応を行うとともに,昨年度までに強化してきた各国協会との相互交流をさらに発展させることによるグローバルネットワークの強化を図り,国際活動におけるJSNDIのポテンシャル向上を目指したいと思います。⑤会員活動の活性化では,少子高齢化社会においても優秀な非破壊検査技術者の人材確保ができるように,学術,教育,認証等の諸活動を推進するとともに,「非破壊検査」ならびに「非破壊検査技術者」のプレゼンスの向上を図っていきたいと思います。さらに,このような活動を積極的に推進できるように,当協会からの「情報発信力の強化」を通じての会員サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
技術立国日本が,今後も国際競争力を維持するためには,複雑化・多様化する工業製品の品質・信頼性の一層の向上が求められています。また一方では,高度成長期に建設されたプラントや社会インフラの老朽化も深刻な問題となっております。このような中,非破壊検査への期待はますます高まっており,学術界と産業界の緊密な連携により「不可能を可能にする」技術を開発することが求められています。当協会としては,そのためのリーダーシップを発揮できるように,今後もその使命を果たしていきたいと思います。会員の皆様の一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
変化が激しい世界経済及び産業構造の状況下で,今後,我が国の産業界及び学術・教育界がどのように推移するのか,極めて重要な段階にあります。非破壊試験技術は,品質管理に使われるのみならず,製品の企画,開発,設計,製造,アフターサービス等,様々な段階で活用され,多くの産業及び科学技術の発展・成長に大きな影響を及ぼします。本協会は,社会,会員,産業界,学術・教育界及び行政機関をステークホルダーと位置付け,今後のさらなる発展に向けたビジョンとして,“JSNDI ミッションステートメント「社会に価値ある安全・安心を提供するJSNDI」”,“JSNDI バリュー”及び“JSNDI アクション”を定めました。これは,ホームページにも掲載しています。具体的には,①業界バリューチェーンの構築(関連業界間の連携強化),②学術・産業分野の拡大と融合,③学会機能と業界団体機能のシナジー強化,④有効なグローバル展開の強化及び⑤会員活動の活性化を図っています。
昨年度の各分野の活動報告は,別途に掲載されていますので,ここでは,特徴的な活動を報告します。
学術活動では,秋季講演大会で,英国非破壊試験協会(BINDT)会長による招待講演,韓国非破壊試験学会(KSNT)とのインターナショナルセッションの他,英国TWI・(公財)新産業創造研究機構との協調開催でセミナーも併設し,講演大会では過去最高の232 名が参加しました。学術分野の融合を目指した(公社)土木学会との合同シンポジウム「 非破壊試験が拓くインフラメンテナンスの未来」は好評で,本年 9 月には(一社)日本機械学会との共催で,「機械・インフラの健全性評価」のオーガナイズドセッションも予定されています。技術開発センターでは,国土交通省から「平成30 年度台車枠の探傷検査に関する調査検討」について受託し,鉄道車両の台車枠の検査に関して他分野での採用事例の調査や新たな探傷検査として活用可能性のある方法の抽出を行いました。また,NEDO 事業「水素ステーション用タイプ2蓄圧器の供用中検査手法の研究開発」への今後の参加を決定しました。
教育活動では,国際原子力機関(IAEA)の「アジア・太平洋州地域における自然災害発生時の土木インフラへの備えと復興を支援する技術協力プログラム」に関連して,インフラ構造物に対するNDT トレーニングコースを開催し,8 ヵ国からNDT 指導者の参加を得ました。
産業分野の拡大としては,経済産業省が進める非破壊検査員育成に関して,日本航空宇宙非破壊試験委員会(NANDTB - Japan)の事務局など「航空機部品製造メーカー等の国際競争力強化に向けた国際ルールに基づく体制整備支援事業(非破壊試験技術者の育成)」を(一社)日本航空宇宙工業会から受託し実施しました。国内で初めてNAS410 に準拠した訓練機関として兵庫県立工業技術センターに設置された「航空産業非破壊検査トレーニングセンター」の運営にも協力しています。また,各業界の現状,課題,対策等について検討した「産業界課題マップ」を作成し,学会機能と工業会機能のシナジーを図る取り組みを行っています。
国際標準化関連では,ISO/TC 135/SC 7 会議に出席し,ISO 9712 改正議論において日本の国情に合わせた意見を提案しました。
認証活動では,実情に合わせたJIS Z 2305 資格制度の改善を進める他,NDIS 0604 及びNDIS 0605 資格制度のJIS Z 2305 資格制度への移行を行いました。国際認証関連では,米国非破壊試験協会(ASNT)が実施するACCP資格とJIS Z 2305 資格の二国間相互承認の早期実施に向けた調整を推進しています。
国際活動では,会長国・事務局国として,6 月にスウェーデン・ヨーテボリでアジア・太平洋非破壊試験連盟(APFNDT)会議を開催し,各国間の情報交換及び交流を促進しました。7 月には,第6 回日米非破壊試験シンポジウムをハワイ州・オアフ島でASNT と共催して両国間の交流を図り,10 月には,中国・上海で開催された中国非破壊試験協会の創立40 周年を祝う講演大会に参加して中国代表者他との交流を深めています。英国とは,BINDT 及びTWI との連携協定を締結し,今後の関係を強化しました。さらに,職員をASNT 事務局に約1ヵ月間研修派遣し,国際人材の育成を行うとともに友好関係構築に努めました。
平成28 年度の会長就任以来,本協会のビジョンを定め,その実現に向けて邁進してまいりました。会長任期の満了に際し,皆様のご協力に厚くお礼申し上げ,今後も本協会が皆様と共にますます発展することを祈念致します。
Review on Radiographic Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Radiographic Testing in 2018
Pony Industry Co., Ltd. Toshimitsu KAMADA
キーワード:放射線透過試験,放射線画像,デジタルラジオグラフィ,X線 CT,中性子ラジオグラフィ
はじめに
放射線部門は,放射線を利用した非破壊試験を広く対象としている。放射線が物質を透過する物理的な現象を利用した放射線透過試験の放射線画像によって,内部構造を知ることができる。従来は,写真フィルムを利用した手法によって放射線画像を得ていたが,暗室での現像処理が必要であり,結果を得るまでに時間を要していた。
写真フィルムの代替えとしてIP(イメージングプレート)を使用したCR システム,デジタルラジオグラフィ(DR)などによってデジタルで放射線画像が得られるシステムの技術開発が進んでいる。一方,CT(コンピュータ断層撮影)は,コンピュータの処理能力が向上したことによって,短時間で詳細に断層画像を取得できるなどの技術革新が著しい。
また,使用する放射線の特性を生かした,中性子線によるイメージングの技術について平成30 年度の機関誌で,「X 線と中性子線によるイメージングの特徴と相補利用」と題した特集号を刊行した。
最新の放射線についての情報を機関誌及び部門講演会を通じて会員相互に情報収集及び情報発信を行うことを主な活動としている。これらの企画を行うために幹事会を定期的に開催して情報の収集及び機関誌及び部門講演会などの企画を実施している。
平成30 年度の部門活動の報告を,部門講演会,シンポジウム,秋季講演大会での発表,並びに機関誌の掲載記事などについて,活動内容の報告,技術動向の展望などを述べる。
Review on Ultrasonic Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Ultrasonic Testing in 2018
Nagaoka University of Technology Ikuo IHARA
キーワード:超音波探傷,波動伝搬,シミュレーション,ガイド波,フェーズドアレイ,信号処理,イメージング,
非線形超音波,非接触超音波,弾性波計測,材料評価,探傷装置,センサ,試験片
はじめに
超音波部門では,超音波による非破壊試験に関する多くの研究・講演活動が行われている。それらは現場の超音波探傷試験における様々な創意工夫や新たな取り組みに関するものから,世界的にも新しい超音波計測の創成に関するものまで多岐にわたっており,毎年有用な知見が多く見られる。ここでは,2018 年度の超音波部門の活動実績を報告するとともに,機関誌や部門活動で公表された論文や講演資料を中心に振り返り,2018 年度の動向をまとめるとともに今後の展望を述べる。
Review on Magnetic Particle, Penetrant and Visual Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Magnetic Particle,
Penetrant and Visual Testing in 2018
Nihon Denji Sokki Co., Ltd. Michitaka HORI
キーワード:磁粉探傷,浸透探傷,目視検査,非破壊検査
はじめに
磁粉・浸透・目視部門は表面探傷に関わる試験として広く活用されている。化学,発電などのプラント設備,鉄鋼・自動車・航空・鉄道などの産業分野などをはじめ,最近ではインフラストラクチャのメンテナンス等に磁粉・浸透・目視試験に関わる検査技術は重要な位置づけになっている。学術部門では,従来の表面分科会から,磁粉・浸透・目視部門,電磁気応用部門,漏れ試験部門の3 部門に変わったが,3 部門合同で講演会及びシンポジウム等の活動を行っている。これら3 部門は,表面に発生する きずを検出するという共通テーマを有しており,表面3 部門として共同で活動することが,お互いの部門の活性化にもつながっていると考えている。2018 年度の表面3 部門が合同で行った部門合同研究集会及びシンポジウムの概要を述べると共に,磁粉・浸透・目視部門の活動報告及び今後の展望について述べる。
Review on Electromagnetic Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Electromagnetic Testing in 2018
EMF Laboratory Hirotsugu FUJIWARA
キーワード:渦電流,漏洩磁束,表面きず,電磁気,材質計測
はじめに
電磁気応用部門は,磁粉・浸透・目視部門,漏れ試験部門と3 部門合同で活動を行っている。この3 部門を表面3 部門と呼んでおり,共通点は主に表面きずを対象としているということである。そのため,この3 部門での合同活動による情報共有は互いの部門への活性化に極めて有効である。
電磁気応用部門では電磁現象を応用した検査法の研究開発や実用化などについて議論している。試験体に直流あるいは交流,パルス磁場を加え試験体に発生する渦電流の変化やきずからの漏洩磁束をコイルや磁気センサなどを用いて検出することが基本的な要素技術である。過去の電磁気検査法は試験コイルを試験体に極力近接させ,表面きずを検査する検査法であったが,現在はコイルを含むセンサの高感度化や多様化,また信号処理を含めた活用方法において様々な開発がなされており,表面きずにおいてはアレイ化による検出能の高精度化,保護材下配管や地際に発生する腐食検査,鋼板裏面の検査などのより検査の難しい場所への適用開発が進んでいる。また,鉄鋼材料を検査する際には必ずといってよい程課題となる磁気ノイズへの対策などについても各種の検討が加えられている。これらの技術向上により,電磁気を応用した検査方法は製品検査からプラントなどの保守検査など広い分野への適用がなされ,さらなる分野の拡大も見込まれている。対象も金属材料だけでなく,CFRP などの非金属材料にも広がりを見せている。
本報告では,従来から続けている3 部門の連携体制をもとに,2018 年度において活動してきた内容を中心に報告するとともに,電磁気応用部門が取り扱っている検査の動向と展望について述べる。
Review on Leak Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Leak Testing in 2018
National Metrology Institute of Japan (NMIJ)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) Kenta ARAI
キーワード:漏れ試験,LT 資格認証,表面 3 部門合同研究集会
はじめに
「漏れ」とは,「壁の両側の圧力差又は濃度差によって液体又は気体が通過する現象」と定義されている1)。その漏れは,大切な物質の流失,環境汚染,火災・爆発等の事故,製品の品質低下を引き起こす。漏れ試験は,それらの漏れを,製造段階,稼働中の保守検査等様々な段階で検出するものであり,品質低下や重大な事故を未然に防止するために不可欠な技術である。漏れ試験の使用される分野は,ガスや石油等の備蓄タンク,各種化学プラントやその配管,船舶,自動車から航空,宇宙分野,高度真空分野,食品や医療機器,電子部品等,非常に広範囲となっており,我が国の工業の品質,安全,環境等を背後で支えている重要な技術の一つとなっている。
漏れ試験には,対象とする試験体の種類,検出感度レベル等により,様々な方法が開発されている。それら漏れ試験方法を,試験体や検出感度レベルによって適切に選択する際のガイドとしてJIS が発行された2)。そのうち,主要な漏れ試験方法を,表1 にまとめた。
漏れ試験の実態は,漏れ量の計測である。一般的に,信頼性の高い計測を行う上で欠かせない次の三つの要素がある(図1)3):(1)正確な計測器,(2)計測器の正しい使い方,(3)測定者の高い技能。また,これら三要素を下から支える教育,研究活動がある。本稿では,これらの活動と今後の展望について報告する。
Review on Stress / Strain Measurement
Chairman of Research & Technical Committee on Stress / Strain Measurement in 2018
Aoyama Gakuin University Satoru YONEYAMA
キーワード:応力・ひずみ測定,ひずみゲージ試験,材料評価,強度評価,実験力学,
光学的計測,画像処理,信号処理,可視化,バイオメカニクス
はじめに
応力・ひずみ測定部門が主催する応力・ひずみ測定と強度評価シンポジウムは2018 年度で50 回目を迎えた。筆者が初めてこのシンポジウムに参加したのは約20 年前であるが,そのころに比べると講演数や参加者数が減っているようである。分科会が多くの部門に細分化されたことが講演数減少の原因の1 つと考えられるが,それだけではないだろう。ひずみの測定は我々のような固体材料・構造物を取り扱う研究者・技術者の基本である。一方,固体力学の研究の世界ではひずみは測定することなく,有限要素法などのシミュレーションにより議論することが多いようである。同様に,試験・測定が行われないまま機器の開発・設計がなされることもあるであろう。しかしながら,複雑化・微細化が進む機器・構造物の信頼性を確保するためには,シミュレーションだけではなく試験を行いひずみ測定をすることが重要であることは言うまでもない。また,材料寸法の微細化により,材料特性が結晶組成分布の影響,さらには表面や界面の影響を受けてバルク的な特性と異なったものとなるかもしれない。このような場合においても,実験による評価が不可欠である。同様に,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に代表される高分子基複合材料はその応用範囲・用途が広がり続けているが,その特性や破壊挙動は従来から多く用いられている金属材料とは全く異なり複雑なことから,試験・測定による評価が不可欠である。そして,これらの試験において測定対象となる最も基本的な量は応力やひずみである。
応力・ひずみ測定部門は,そのような基本な物理量である応力やひずみの測定手法および解析・評価手法の開発・改良,応力・ひずみ測定に基づく材料特性評価や強度評価,さらには応力・ひずみ測定手法の様々な分野への応用など,幅広い分野を対象とし,それらの学術研究成果の公知化および実用化,研究動向の分析,登録会員間の情報交換と相互研鑽などを主目的として活動している。応力・ひずみ測定の対象となる材料は機械・構造物を主に構成する金属材料やコンクリートばかりでなく,高分子材料,セラミックス,生体材料・組織,種々の複合材料など多岐にわたっている。これら様々な材料を対象として,例えば超高温・低温下での挙動や衝撃負荷下での挙動など,シミュレーションでは信頼性の得られない特殊環境下でのひずみ測定の研究が目立っている。また,近年のインフラ構造物の老朽化問題を反映して,その健全性評価に対してひずみ測定を用いる研究も行われている。一方,用いられる計測手法も多岐にわたるが,ここ数年では,光学的手法やX 線を用いた手法,画像処理を用いた手法などが多く報告されている。以下では,2018 年度における活動と今後の展望を要約する。
Review on Maintenance Inspection
Chairman of Research & Technical Committee on Maintenance Inspection in 2018
National Institute of Advanced Industrial Science & Technology Hiroshi TSUDA
キーワード:非破壊検査,保守,モニタリング,健全性評価,経年変化,信号処理
はじめに
保守検査部門はプラント設備,社会インフラなどの構造信頼性を維持・向上させるための技術を関係者間で共有することで,信頼性と経済性を両立させた効率的な保守検査を検討し,その実施を促すことを活動の目的としている。そこで既存検査技術の現場適用事例紹介の他,近年,盛んに開発が進められているロボット,IoT,および人工知能を活用した新しい検査技術を紹介する場として保守検査ミニシンポジウムを毎年開催している。またシンポジウムにおいて注目された講演の解説を集めた特集号を例年,機関誌10 月号に掲載している。
さらに今年度から近年,表面形状の微小変化を容易に計測できることで注目を集めている画像計測に関する標準化を促進させるため,「光3 次元形状計測技術による非接触非破壊検査の標準化に関する研究委員会」を設立した。同委員会はこれまで人体や部品の立体形状を測定するための手段として発展してきた光3 次元形状計測技術を保守検査分野へ適用させるため,必要な標準化や規格化を整備することを活動の目的としている。
Review on In-Process Inspection
Chairman of Research & Technical Committee on In-Process Inspection in 2018
Aichi Institute of Technology Toshihiko TSUKADA
キーワード:画像処理,目視検査,製造工程,画像センシング,AI
はじめに
近年のインターネットの発達,計算機CPU の性能向上と低コスト化を背景とした機械学習や深層学習などAI(人工知能)技術を用いた画像認識技術のレベル向上には,目を見張るものがある。2012 年にGoogle の研究チームによって「教師なし学習」による猫の認識が報告されて以降のAI ブームの隆盛は周知のこととなり,日常のニュースでAI 技術の話題が取り上げられることも珍しいことではなくなってきている。
これらAI 技術は,製造工程検査分野へも積極的かつ精力的な導入が進められ,数多くの成功事例が報告されている。AI 技術の適用により,それまでは困難であった認識課題の多くが解決されたとの報告が多くみられる。一方で,適用対象の範囲が広がるに従い,製造工程検査の特有課題も顕在化してきている。例えば,部品外観検査の機械学習による自動化で,学習サンプルとして不可欠な異常サンプルの数が少ないことがある。このために,学習不足による認識率の低下といった問題(本来は異常品が少ないことは喜ばしいことであるのだが)が生じている。この問題に対して,手持ちの異常データから新たな学習データを生成することで機械学習成功のカギとなる学習データ数を確保する手法が開発され,製造工程検査へのAI 技術の導入が推進されている。
製造工程検査部門では,最新の広範囲にわたる画像応用認識技術を当非破壊検査協会会員へリアルタイムに分かりやすく提供することを一つの大きな役割と位置付けて,活動を行っている。そのための活動の一つとして,本部門は各種学会・研究委員会の枠を超えて連携・協力し,広く画像センシング・認識に関するシンポジウムやワークショップを年に3 回程度共同企画し協賛している。この活動によって非破壊検査・外観検査・目視検査に関わる画像認識技術の新たな情報提供を続けている。本稿では,2018 年度に協賛・共同企画した2 件のワークショップを中心に紹介する。
Review on Acoustic Emission
Chairman of Research & Technical Committee on Acoustic Emission in 2018
The University of Electro-Communications Hironobu YUKI
キーワード:アコースティック・エミッション,講演会,国際会議,規格,技術者教育
はじめに
アコースティック・エミッション(AE)部門はAE 法の進展と普及に貢献することを目的に,日本におけるAE 法の学術研究,技術開発,標準化,技術者養成をけん引する活動を行っている。AE 法は計測対象に本質的な制限がなく微弱な信号を取り扱うことが多いため,部門には機械系,材料系,土木系,資源系,電気系など様々なバックグラウンドをもった会員が集まり,2019 年3月末現在で個人会員72 名,団体会員53 組織の登録がある。本稿では2018 年度(2018 年4 月〜2019 年3 月)のAE 部門の活動概要を中心にAE 法の現状と今後の展望を述べる。
Review on Non-Destructive Evaluation of New Materials
Chairman of Research & Technical Committee on Non-Destructive Evaluation of New Materials in 2018
Tokyo Institute of Technology Yoshihiro MIZUTANI
キーワード:新素材,非破壊計測
はじめに
新素材に関する非破壊試験部門では,新素材の非破壊評価に関する研究,調査及び普及を目的とした活動を行っている。特に,様々な非破壊試験技術及び非破壊評価技術の応用を横断的に調査・議論していることに本部門の特徴がある。例えば,複合材料の試験技術,材料の劣化評価に関連した計測技術や,高温環境における計測技術などを切り口として,他の団体や研究会との連携を積極的に行いながら調査を行っている。2018 年度は,セミナーを1 回,シンポジウムを1 回開催した。
Review on Non-Destructive Testing of Reinforced Concrete Structure
Chairman of Research & Technical Committee on Non-Destructive Testing of
Reinforced Concrete in 2018
Nihon University Noboru YUASA
キーワード:活動報告,鉄筋コンクリート構造物,非破壊・微破壊試験,研究委員会,標準化,講習会
はじめに
鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験部門(以下,RC 部門)では, 2018 年度は3 回の行事が活発に行われた。
そのほか,学術委員会,標準化委員会,教育委員会,編集委員会と関連した活動などについてもその概要を報告する。
Review on Infrared Thermographic Testing
Chairman of Research & Technical Committee on Infrared Thermographic Testing in 2018
Thermographers Co., Ltd. Kotaro YAMAKOSHI
キーワード:赤外線サーモグラフィ試験,資格制度,状態監視
はじめに
赤外線サーモグラフィ(TT)部門では,合同ミニシンポジウムの開催や非破壊検査総合シンポジウムでの発表などの学術活動のほか,座学と実技による講習会の開催を行った。ISO,JIS 規格の制定・整備,技術者認証制度の構築,テキストの作成などを実施し,試験技術の開発・確立・普及を目的とした活動を継続して行っている。
Report of Academic Affairs Committee
Chairman of Academic Affairs Committee in 2018
Tohoku University Tsuyoshi MIHARA
キーワード:学術活動,非破壊検査,表彰制度,研究助成,研究奨励金
はじめに
工業製品や構造物の安全確保のために今日利用されている非破壊検査技術は,学術研究に端を発したものであり,本協会において現在も学術活動はその基礎である。学術委員会は,協会の学術活動全般を総括する位置づけであり,関連する3 名の理事と12部門及び2 研究会の主査から構成されている。2018 年度の学術委員会の委員構成は以下の通りであった。
三原 毅:委員長(学術担当副会長)
望月正人:技術開発センター長(学術担当理事)
井原郁夫:超音波(UT)部門主査(学術担当理事)
釜田敏光:放射線(RT)部門主査
堀 充孝:磁粉・浸透・目視(MT/PT/VT)部門主査
藤原弘次:電磁気応用(ET/MFLT)部門主査
新井健太:漏れ試験(LT)部門主査
米山 聡:応力・ひずみ測定(SSM)部門主査
結城宏信:アコースティック・エミッション(AE)部門主査
山越孝太郎:赤外線サーモグラフィ(TT)部門主査
塚田敏彦:製造工程検査(IPI)部門主査
津田 浩:保守検査(MI)部門主査
湯浅 昇:鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験(RC)部門
主査
水谷義弘:新素材に関する非破壊試験(NMT)部門主査
林 高弘:超音波計測に関する萌芽技術研究会
佐々木敏彦:cosα 法方式X 線残留応力測定法研究会
2018 年度は,7 月,12 月,2 月の計3 回,学術委員会及び1 月に学術運営委員会を開催した。以下に2018 年度の学術活動について報告するが,各部門における実質的な学術活動の詳細についてはそれぞれの報告・展望を,また国際学術活動については国際学術委員会活動報告をご覧いただきたい。
Report of Standardization Committee
Chairman of Standardization Committee in 2018
Wakayama University Yorinobu MURATA
キーワード:非破壊試験,非破壊検査,規格,NDIS,JIS,ISO
1. 概要
1.1 はじめに
日本非破壊検査協会(JSNDI)では,標準化委員会とISO 委員会が協力し,また,経済産業省や日本規格協会等の関連学・協会との緊密な連携の下,日本国内外の非破壊試験に関する標準化の一体的な推進を図っている。
本報告では,標準化委員会の2018 年度の活動として,原案作成や改正に関わる日本工業規格(JIS)及び日本非破壊検査協会規格(NDIS)の動向及び関連の事業について説明する。なお,ISOの動向に関しては,別途ISO 委員会活動報告がなされている。
1.2 標準化委員会の活動内容
我が国における非破壊試験の標準化と普及に寄与することを目的に,日本非破壊検査協会が行う標準化事業のすべてに関与し,2018 年度も継続して以下の活動を行った。
(1)日本工業標準調査会が行う非破壊試験に関する日本工業規格(JIS)の審議及び承認への積極的な協力
(2)日本非破壊検査協会規格(NDIS)の審議,承認及び維持管理
(3)関連内外規格の調査,収集,及び会員への情報伝達
(4)日本非破壊検査協会ISO 委員会の活動への協力等
1.3 組織
標準化委員会では,次に示す11 の専門別委員会を継続して設置し,各技術分野における標準化事業の推進及び方針の策定などを担当している(括弧内は2018 年度の専門別委員会委員長名,敬称略)。
(1)放射線専門別委員会(成川康則)
(2)超音波専門別委員会(林 栄男)
(3)磁粉専門別委員会(福岡克弘)
(4)浸透専門別委員会(相澤栄三)
(5)渦電流・漏洩磁束専門別委員会(笠井尚哉)
(6)目視専門別委員会(加藤 潔)
(7)漏れ専門別委員会(井元宏行)
(8)赤外線サーモグラフィ専門別委員会(小笠原永久)
(9)ひずみ試験専門別委員会(上田政人)
(10)アコースティック・エミッション専門別委員会(結城宏信)
(11)鉄筋コンクリート構造物専門別委員会(湯浅 昇)
2018 年度の標準化委員会は,委員長,副委員長(小笠原永久),委員(前述の専門別委員会委員長),ISO 委員会委員長(大岡紀一)及び標準化担当理事(釜田敏光)で構成されており,4 回の委員会を開催した(括弧内は担当者名,敬称略)。
Report of ISO Committee
Chairman of ISO Committee in 2018
The Japanese Society for Non-Destructive Inspection Norikazu OOKA
キーワード:ISO/TC 135,ISO/TC 135/SC 7,ISO 9712,試験技術者,資格及び認証,ISO規格
概要
ISO(国際標準化機構)規格案件に関する事項を検討,審議及び投票のための集約,さらにTC 44(溶接),TC 17(鋼)等の国内審議団体と連携をとり関連ISO 規格の対応と共に情報交換等を前年度に引き続き実施した。
国際会議に関しては,スウェーデンのヨーテボリにおいて2018年6 月16 日から19 日まで行われ,シンガポールでの会議で設定が決まったタスクグループ(TG)での討議を主にISO/TC 135/SC 7(資格・認証試験分科委員会)を開催した。これに続いて,同様の会議が2018 年10 月28 日から30 日まで米国のヒューストンで,また,2019 年3 月4 日~ 6 日にドイツのイスマンニングでTG だけの会議が開催された。
今回開催された関連SC は,いずれもISO 9712 の改正を目的にSC 7(Qualification and Certification)に係る会議だけの開催であった。
前者の会議には大岡紀一(ISO/TC 135 議長,ISO 委員会委員長,JSNDI 顧問), 土屋武雄(ISO/TC 135 国際幹事,SC 6 議長),緒方隆昌(ISO 国内審議団体代表,SC 7 委員,SC 7/TG 4Convenor,JSNDI 会長),八木尚人(ISO/TC 135/SC 7/WG 9 エキスパート,JSNDI 教育担当理事),大岡昌平(ISO/TC 135/SC 6国際幹事,SC 7/TG 委員)が出席した。
後者の二つの会議には,緒方隆昌及び大岡昌平の2 名の委員が出席した。
一方,国内におけるJSNDI のISO 委員会としてはISO/TC 135及び関連SC 対応のために第1 回分科会を2019 年2 月5 日に,本委員会を2019 年2 月20 日に開催している。
これらの諸活動について以下に述べる。
Report of International Committee
Chairman of International Committee in 2018
Kawasaki Heavy Industries, Ltd. Takamasa OGATA
キーワード:非破壊検査,ICNDT,APFNDT,ECNDT,ASNT,BINDT,ChSNDT,KSNT,TWI,国際会議
はじめに
国際学術委員会は,国外の非破壊試験方法に関する広範な情報の交換,収集及びその国内への普及・広報を通じて関連技術者,研究者などの相互交流を図ることを目的に,本協会の国際学術活動を推進した。なお,国際非破壊試験委員会(International Committee for Non-Destructive Testing;ICNDT)及びアジア・太平洋非破壊試験連盟(Asia-Pacific Federation for Non-Destructive Testing;APFNDT)の活動をはじめとする国際的活動は,学術のみに留まらず,認証,教育,標準化などが相互に密接に関連していることから,運営委員会の下に国際対応WG(落合 誠主査)を設け総合的な判断を行っている。本稿では,本号における掲載区分の関係上,国際学術委員会活動以外も含むこれら国際活動全般を対象に記載した。
Report of Education Committee
Chairman of Education Committee in 2018
Mitsubishi Hitachi Power Systems Inspection Technologies, Ltd. Naoto YAGI
キーワード:訓練,講習会,JIS Z 2305:2013,ISO 9712:2012
はじめに
教育委員会(以下,「当委員会」という)は,非破壊検査に従事する技術者の技量向上を目的として各種教育・訓練の計画と実施並びに関係書籍の編集などを行っている。
また,JIS Z 2305:2013「非破壊試験技術者の資格及び認証」の改正に伴う訓練カリキュラムの見直しや再認証実技試験に対応する実技試験の運用等の対応をこれまでに推進してきており,今後,国際相互承認を視野に入れた訓練組織としてのさらなる体制整備を進めていきたいと考えている。ここでは,2018 年度の当委員会の主な活動実績を報告する。
Report of Certification Steering Committee
Chairman of Certification Steering Committee in 2018
Wakayama University Yorinobu MURATA
キーワード:非破壊試験,技術者認証,ISO 9712,JIS Z 2305,NDIS 0602,
NDIS 0603,NDIS 0604,NDIS 0605,ISO 18436-7
はじめに
日本非破壊検査協会の認証事業の中心となっているのは,JISZ 2305 に基づく非破壊試験技術者の認証である。2003 年にJIS Z2305 に基づく認証が開始されてから15 年が経過し,この認証資格が十分に社会に認識されたことに伴って,認証制度の運用責任も年々重みを増している。この間,特に2013 年のJIS Z 2305 改正に伴う旧制度から新制度への移行は大きな課題であったが,2017年春期からは新制度による再認証試験を開始し,ようやく定常的な運用に至っている。
当協会では,次のそれぞれの規格に基づく技術者認証を実施している。
JIS Z 2305 「 非破壊試験技術者の資格及び認証」
NDIS 0602 「非破壊検査総合管理技術者の認証」
NDIS 0603 「超音波探傷試験システムの性能実証における技術者の資格及び認証」
NDIS 0604 「赤外線サーモグラフィ試験−技術者の資格及び認証」
NDIS 0605 「非破壊試験−漏れ試験技術者の資格及び認証」
ISO 18436-7 「 Condition monitoring and diagnostics of machines
– Requirements for qualification and assessment of personnel – Part 7: Thermography」
これらのうちJIS Z 2305 に基づく認証は「認証運営委員会」,NDIS0604 及びNDIS 0605 に基づく認証は「NDIS 認証委員会」(認証運営委員会と合同)で実施している。また,NDIS 0602 に基づく認証は「非破壊検査総合管理技術者認証委員会」,NDIS 0603 に基づく認証は「PD 認証運営委員会」,ISO 18436-7 に基づく認証は「CM 技術者認証運営委員会」でそれぞれ実施している。さらに,「国際認証委員会」の協力の下で,諸外国との相互認証及び資格乗入を実施している。
なお,2018 年度の認証運営委員会の委員構成(50 音順)は次のとおりであった。
村田頼信 委員長,認証担当理事
井上裕嗣 査定委員長,NDIS 認証委員長,認証担当理事
谷口良一 問題管理委員長
藤岡和俊 委員
藤原弘次 認証広報委員長
古川 敬 倫理苦情処理委員長,認証担当理事
三原 毅 試験委員長
望月正人 試験基準委員長,CM 技術者認証運営委員長
吉田和行 認証事業部長
本稿では,JIS Z 2305 に基づく認証を中心に,関連する認証及びその他の認証関連事項を報告する。
Report of Publication Committee
Chairman of Publication Committee in 2018
Shin-Nippon Nondestructive Inspection Co., Ltd. Yasuhiko WAKIBE
キーワード:出版,テキスト,問題集,規格
はじめに
出版委員会は,非破壊検査技術の教育・普及に関する出版物の企画,編集,制作及び頒布を行うことによって,非破壊検査技術水準の向上を図ることを目的として設置された委員会であり,その活動は教育委員会の活動と密接に関係している。そのため,その構成員は,各部門の関係者とともに教育委員会からの派遣委員,理事等で構成されている。図1 に,出版活動の典型的な例を示す。
Report of Reference Block Committee
Chairman of Reference Block Committee in 2018
Pony Industry Co., Ltd. Tamotsu ENDO
キーワード:標準試験片,対比試験片,分類用ゲージ,トレーサビリティ,品質証明
はじめに
当協会では,非破壊検査技術の普及と向上の活動の一環として,非破壊試験実施に必要な標準試験片と対比試験片(以下「試験片類」と言う)及びゲージを製造,頒布している。非破壊試験において試験片類は,試験装置の点検・調整,性能確認,試験結果の定量化,試験方法の標準化,試験結果への影響因子の評価など重要な業務に使用されている。
試験片類及びゲージの頒布先は,主に日本国内向けであるが,年間頒布数及び金額は,多少の増減があるものの2018 年度は,超音波探傷試験用の試験片類が約563 体,磁粉探傷試験用の試験片類が約3006 枚等となっており,総額は約72,000 千円であった。これだけの試験片類及びゲージの頒布実績は,国内ユーザの要望に適合していることと当協会への信頼の結果と考える。
今回は,2018 年度の当委員会の活動状況をご紹介する17)。
Report of Public Relations Committee
Chairman of Public Relations Committee in 2018
Osaka Prefecture University Ryoichi TANIGUCHI
キーワード:非破壊検査,広報活動,セミナー,展示会
はじめに
広報活動委員会では,協会の活動を情報公開し会員へのサービス向上や新入会員の増加促進に努めている。協会の行事や各種案内を主として協会ホームページで公開するとともに,社会の様々な年齢層を対象とした各種セミナーや展示会への参画などを通じて,広く一般に向けて非破壊検査技術の認知度の向上を目指した広報活動を行っている。ここでは広報活動委員会の平成30 年度の主な取り組み事項について報告したい。
平成30 年度は,前年に引き続き,ホームページを利用した広報活動の充実に努めた。また工業高校生をはじめとした若手技術者の育成を目的とした「明日を担う次世代のための非破壊検査セミナー」を継続して発展させるとともに,子供向けの非破壊検査技術の啓蒙活動として,(一社)日本能率協会主催の「夏休み2018 宿題・自由研究大作戦」に参加した。また,協会のシンボルキャラクターともなっているノンディを,さらに活用するとともに,国際的な活動も展望し,国際会議における出展内容の充実も検討した。
なお,平成30 年度の広報活動委員会は次に示すように計4 回開催した。第1 回目:平成30 年7 月30 日(月),第2 回目:平成30 年10 月19 日(金),第3 回目:平成31 年1 月18 日(金),第4 回目:平成31 年3 月29 日(金)。
以下,平成30 年度の主な活動について報告する。